低血圧の症状と原因

低血圧の症状
低血圧の人は、さまざまな症状を訴えます。
「体がだるい」「疲れやすい」などいわゆる不定愁訴で悩むことになります。
主な症状は次のようなものです。
めまい、立ちくらみ、不眠、頭痛・だるさ・疲れ・肩こり・疲れ目、朝が起きにくい、
食欲不振・胃のもたれや吐き気、下痢・便秘、腹痛・脈がみだれる、発汗・冷え、動悸・息切れ、
など数えたらきりがありません。
血圧の正常な人や高い血圧の人には、なかなか理解してもらえなず、
そんな低血圧の症状は生活が不規則だとか贅沢病だといわれたりします。
夜更かしには強いが朝が起きにくくて、どうしても調整が難しく他から見れば不規則に映るのでしょうね。
低血圧の原因
低血圧の中でも起立性低血圧の人は、座っているときや立っているときに、
ふらつき、めまい、体のだるさを感じます。でも身体を横にすると症状が軽くなります。
これはなぜでしょう?
起立すると、脳をはじめ全身臓器への血流が低下するために、
起立性低血圧の人は様々な症状がでると考えられています。
脳の細胞は、脳血流からの酸素と栄養分によって活動できています。
脳血流が低下するだけで、脳の機能は著しく悪くなり、
感覚神経も運動神経もその機能が低下します。思考機能も低下します。
ヒトは横になっている時と比べて身体を起こすと、頭の位置が心臓より高くなり、
脳の血液は下に落ちようとする力(静水圧)が働きますので、下半身に血液が移動して、
脳血圧が下がり、脳血流が低下してしまいます。
しかし、健康な人では、このような不都合に拮抗する機構が備わっていますが、
起立性低血圧の人は、この機構が弱いために脳血圧が下がり、脳血流が低下してしまいその結果、
ふらついたり、めまいの症状が出てきます。

低血圧 食事による改善と運動療法

低血圧 食事による改善としてはまずは、バランスのとれた食事を心がけましょう。
特に蛋白質の豊富な肉、魚、乳製品等を多くとり、
ミネラルの豊富な海草、魚の丸干し、野菜、実等も毎日食べると良いそうです。
またチェダーチーズなどの発酵系の食べ物はミネラル・鉄分・良質のたんぱく質が豊富に含まれ、
完全食品とまで言われております。
血圧を上げるカフェインを多く含んだ、お茶、紅茶、コーヒーも適量は低血圧の人にはいいそうですよ。
食事、水分、食塩の摂取は適量に、無理に制限する必要はありません。
健康な人では1日10gの食塩を目安に、収縮期血圧(血圧の上)が100以下の低血圧の人では、
1日10〜12gを摂取した方がよいそうです。
食後はなるべく横になり、血液を十分に消化器官に回しましょう。
低血圧 対処と改善 低血圧と運動療法
低血圧の人の運動療法について調べてみました。
はっきり言って低血圧の運動療法として、これだ!といえるものはありません。
しかし、適切な運動をしないと低血圧が進行することだけはわかっています。
生体には様々な生体防止機構が備わっていますが、その防止機構がうまく作動しないと、
起立性低血圧や体位性頻脈症候群になります。
適切な運動をすることにより、自律神経反射の機構と下半身の筋肉によるポンプ作用の強化になるそうです。
自律神経反射の機構は、血圧低下を生じた場合や、心臓への血液リターンが低下すると、
自律神経反射によって交感神経活動が上昇し、血管収縮を起こすことで血圧を維持させます。
下半身の筋肉によるポンプ作用とは、下半身の筋肉が収縮することによって、
下半身に貯留した毛細血管の血液を心臓に送り戻す役目をしています。
したがって下半身の筋力アップは低血圧に良い効果があると思われます。
人の運動量が低下すると、たとえば、寝たきり老人のような長期臥床患者では、
二つの機能低下を生ずるため、起立性低血圧を生じてしまいます。
低血圧の人でも出来る簡単な運動療法
運動療法は長続きして、はじめて効果が現れるものなので、簡単で持続できなければ意味がありません。
午前中のウォーキングが最も良いですが、だめなら夕方から夜にかけ、30分程度のウォーキングも良いそうです。
昼間に仕事で歩く時でも正しい姿勢のウォーキングをするのが効果的です。
ただしウォーキングの途中、人との立ち話などで立ち止まることがあっても、立ったままの状態は2〜3分以内とし、
下半身の筋肉によるポンプ作用を効果的に使わなければいけません。
横になっても出来る腹筋運動は、少しずつでもいいですから毎日やる方がいいでしょう。
水泳は、全身の筋力アップには好都合です。水の中は重力作用が軽減され、
起立での運動ができないような低血圧の人は、水泳や水の中での運動なら比較的無理なくできるでしょう。
但し下半身への血液プーリング効果や自律神経反射を改善する効果も少ないでしょう。
低血圧の人が運動で汗をかいた場合、体内の水分が少なくなって、循環血漿量が低下し、
血圧低下を招くので十分な水分摂取を行って下さい。若い人では塩分を補給することも重要です。
低血圧を直す体内時計の調節
低血圧の人は早起きが不得意です。早起きが不得意とは、いわゆる朝寝坊ではなく、
目が覚めていても布団からなかなか抜け出せない状態をいいます。
体内時計を少しずらして、早く寝る習慣をつけ、早起の体質にするため規則正しい生活をしましょう。
朝の目覚めのときにはあわてず体を徐々にならし、スローペースで体のリズムを作ります。
入浴は循環を良くしますが、長湯と熱い湯は禁物、体の表面に血液が集まり脳の血液が不足してきます。
ぬるいお風呂でカラスの行水が望ましい。冷水摩擦、乾布摩擦も有効のようです。

低血圧の病気と治療

低血圧の種類
 低血圧の種類は大きく分けて3つの型があります。
●本態性低血圧
  原因となる病気が特にないのに、立っていても横になっていても、常に血圧が低く、
めまい、立ちくらみ、全身倦怠感など種々の症状があります。
●起立性低血圧
  横になったり座ったりしているときは正常な血圧ですが、急に体を起こしたり、
立ちあがったりしたときに血圧が下がり、めまい、立ちくらみなどを起こすことが多いです。
起立性低血圧には、2種類あります。
  起立性低血圧のうち、原因となる病気がない場合を本態性起立性低血圧といい
  起立性低血圧のうち、原因となる病気がある場合を症候性起立性低血圧といいます。
●症候性低血圧(二次性低血圧
  何かの病気がもとで血圧が低くなっている場合を指します。
原因になっている病気をつきとめることが肝心です。
低血圧の病気と治療
低血圧の症状がきつい人は、低血圧の病気ととらえてお医者さんに見てもらうのが良いと思います。
低血圧の人は、活動性に乏しく、日常生活を送るうえで支障をきたすことが少なく、
直接生命に危険を及ぼすことが少ないため、これまで治療への関心が薄かったようです。
しかし、適切な治療をおこなえば、さまざまな不定愁訴もなくなり、日常生活を不快な思いをせずに過ごし、
生活の質を高めることができます。「低血圧くらい」と我慢しないで、かかりつけのお医者さんに相談して下さい。
症状の改善には、必要に応じて薬物治療がおこなわれたり、日常生活のちょっとした工夫、
生活スタイルの改善などで効果をあげることができます。
低血圧の症状を改善する薬物としては昇圧剤、自律神経調節剤などが用いられますが、
最近、新しいタイプの血管収縮剤も開発され、薬物治療がおこなわれやすくなりました。
なお、これらの薬物治療は、医師の処方と指示により慎重におこなう必要があります。
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